数年間満室経営が続きましたが、退去連絡がありました。
退去連絡、嫌な響きですよね。。。
でも、入居者さんが「出ていく!」と決めたのであれば仕方ない。
いつも通り周辺の競合の状況を確認し、家賃設定をどうするか?考えいてると、、、ん??
何かおかしい。
競合するファミリー向け物件がほとんど出てこない(ヒットしない)のです。
複数の賃貸サイト等を見ても結果は同じ。
ということは、、、需給関係が変わって貸し手(=大家さん)優位の状況になっているということ。
すなわち、今は家賃アップのチャンス到来という状況なのです。
全国的に家賃は上昇傾向にある
ここで、全国の家賃状況を確認してみます。
at homeが2022年3月 全国主要都市の「賃貸マンション・アパート」募集家賃動向を公開しています。
これを見ると、全国主要都市の募集家賃は軒並みプラスとなっています。
特に、ファミリー向け物件はプラス幅が大きく、2015年1月以来の最高値を更新しています。
地方ではどうか?
しのっぴ大家のファミリー向け物件は上記のような主要都市ではなく、地方にあります。
では、地方の募集家賃がどうなっているのか?というと、家賃動向のようなデータはありません。
しかし、冒頭にも書いた通り、近隣のファミリー向け物件の「空き」が極端に少なくなっています。
では、どのような状況なのか?確認していきます。
検索エリアは新幹線が止まる駅周辺の2kmほどの域内です。
実際の募集件数を見ていきます。
上図の左側が募集中の総件数。右側がファミリー向け(2LDK以上)の部屋の募集件数です。
一目で分かるように、圧倒的にファミリー向けの部屋が少ないです。
しかもこの募集には重複しているものもあるため、実際に募集中の部屋数はわずか5部屋です。
これまでであれば15~20室程度の募集が常時あったので、「異常事態」が起きているようです。
・シングル向け物件に対し、ファミリー向け物件は圧倒的に少ない状況です
・周辺の空き部屋が少ない=貸し手優位な状況であると言えます
客付け店へのヒアリングでもファミリー向けは強し!
周辺競合の状況を把握した上で、次は客付けしてくれる店舗に出向きます。
ここでは実際の状況を確認し、募集条件を決定します。
まず、担当者の方から実際の状況をヒアリングしました。その状況を以下にまとめます。
<ヒアリング概略>
・2020年夏頃からファミリー向け物件の引き合いが多くなった
・在宅勤務の影響か?「もう一部屋ほしい」という要望が増えた
・例年よりもファミリー向けの部屋は退去が少ない
店舗では以上のように感じているようです。
その結果、ファミリー向けの部屋の空室が少ない、とのこと。
コロナ禍で色々なものが変わりましたが、どうやらファミリー向け物件には恩恵があるようです。
築30年でも家賃アップに成功!
では、実際の家賃設定と客付けの状況を説明します。
前の入居者さんは85000円の家賃で15年以上住み続けてくれました。
退去したのが2020年11月末で、その時点で築30年とだいぶお疲れです。
このため、大規模なリフォームを行いました。
まず、洗濯機置き場がベランダにあったため、洗濯機置き場を室内に作り、ユニットバスも1616サイズの大きなお風呂に入れ替えました。
上記のようなリフォームを進めている最中、ユニットバスは取り壊してスケルトンの状況でしたが
1月中旬に入居が決まりました。
「よく工事中なのに入居が決まりましたねぇ」と店舗の担当者に言うと、他の部屋の写真を見てもらった上で、空いている部屋がないので写真を信用してこの部屋に決めてもらった、とのことでした。
ある意味、空いている部屋の争奪戦のような様相です。
しかし、失敗したことが1点。
それは、募集家賃の設定ミスです。
客付け店には「リフォームが終わる1月末に家賃設定を考えます。とりあえず87000円で」としておいたのですが、まさかのリフォーム中の契約。
本来、もう少し値上げしたかったのですが、結果的に85000円から2000円アップの87000円で契約となりました。
しかし、空室期間もほぼなく、地区30年でも家賃アップに成功したので結果的には良かったのかも知れません。
ファミリー向け物件の引き合いが強いなぁと実感した瞬間でした。
まとめ
賃貸経営は周辺の物件との競争です。
競争相手が多ければそれだけ入居が決まる確率は落ちますが、逆に言えば、競争相手が少なければ貸し手が有利な状況で入居が決まります。
つまり、周辺競合の状況をきちんと把握した上で家賃設定を行えば、今は家賃アップできる状況です。
特にファミリー向け物件は引き合いが強く、築古物件であっても家賃アップのチャンス到来です!!