給水ポンプの急な停止:原因は電力会社にあり

電気・ガス・水道などのライフラインが使えないと非常に困りますよね。

災害時であれば「仕方ない」と思うでしょうが、自分の家だけ使えないとなると、即座に大きな不満につながります。

トラブルがあった場合、電気であれば電力会社が、ガスであればガス屋さんが対応してくれます。

しかし、水道は大家さんに責任がある場合があり、対応に手間と時間がかかります。

今回は突如給水ポンプが停止するという「断水事件」に遭遇した事例を紹介します。

当初は「ポンプの故障か!?」と疑いましたが、原因はまさかの電力会社にありました!

トラブル対応に追われながらも意外なところに原因があった今回の「断水事件」の顛末を説明したいと思います。

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水道の方式と責任の所在について

水道の方式には大きく分けて2つの給水方式があります。

一つは直接給水方式、もう一つは貯水槽水道方式です(詳しくはこちらのサイトを参照)。

直接給水方式は直圧直結給水方式と、増圧直結給水方式に分かれます(下図参照)。

給水方式を説明した図

この中で、トラブルがあった時に大家さんの責任となる可能性があるのが増圧直接給水方式と貯水槽水道方式で、いずれも「ポンプ」を使って各部屋に水を送る場合です。

そして、今回トラブルが起きたのは貯水槽水道方式です。

幹の排水管は自治体の管轄となりますが、敷地内の水道管、ポンプはオーナーの管轄です。

オーナーの管轄領域で問題が生じた場合、大家さんの費用負担で修繕となります。

実際に起こった水道のトラブル~「断水事件」の発生状況~

水道方式とトラブル発生時の対応主体がはっきりしたところで、しのっぴ大家が実際に体験した「断水事件」について説明していきます。

発生時間は金曜日の夜19時半ころ、突如、水道が止まり水が出なくなりました。

しのっぴ大家は所有している物件に住んでいるため、外に出てみると数軒のご家族が「水が出なくなった」と言っていました。

個別の部屋の問題ではなく、物件全体の断水です。

すぐに「給水ポンプの故障か?」と思って給水ポンプを確認しに行きました。

すると、案の定ポンプの電源が落ちています(写真は稼働している時の給水ポンプ)。

給水ポンプの交換となると100万円近い出費となる上に、交換にはかなりの期間がかかります。

しかも、この「断水事件」発生が週末の夜という最悪のタイミングでした。

給水ポンプの写真

修理の依頼:業者さん探し

断水の原因が給水ポンプの停止にあることが分かったので、次は修理してくれる業者さん探しです。

断水事件の発生が週末の夜だったため、業者さん探しも自分でやることになりました…。

管理会社への依頼

まず最初に連絡したのが物件の管理会社です(当然と言えば当然ですが…)。

電話したところ業務時間外のため、緊急窓口での対応となるとのことでした。

そして、対応できる業者さんを探すのに1~2時間かかるとの回答。

しばらくして「対応は翌日以降になる」との連絡をもらいました。

「断水」は大きな不満につながるのですぐに対応したい案件ですが、だいぶがっかりな回答でした。

貯水槽点検業者(水道屋さん)への依頼

管理会社への連絡と同時に、貯水槽を点検してもらっている業者さんへも連絡しました。

「断水事件」の2週間ほど前に貯水槽と給水ポンプの点検をしてもらっていたので、「点検に見落としがあったのか?」との思いもありました。

連絡したのは20時を過ぎていましたが、毎年点検しているので24時間対応するとの回答。

そして、すぐに作業員が見に来てくれることとなりました。

この時点で少し安心しましたが、ここから意外な方向に事態が進んでいきます。

このようなトラブル対応はいくつかのルートで業者さん探しをすると時間に無駄がありません。

費用よりも「いかに早く対応できるか?」という観点で業者さんを決めていきます。

原因と対策

連絡から約1時間後、水道屋さんが到着しました。

ここから「断水」事件の対策が始まります。

まず疑ったのは給水ポンプ

最初にチェックしたのが給水ポンプです。

電源が入ってないことはしのっぴ大家も確認していたのですが、やはりここでも電源は入りません。

給水ポンプの故障か?と思っていましたが、定期的に点検しているのでポンプ自体が壊れている可能性は低く、他に原因があるのだろうとなりました。

では、原因はどこなのか?ポンプへの給電関係のチェックに移ります。

次に疑わしきはブレーカー

給電関係で疑わしいのは配電盤のブレーカーと、電線から配電盤に延びる引き込み線です。

物件の各戸に電気は通じていたので、可能性が高いのはブレーカーとのこと。

テスターで通電状況を確認してもらい、やはりブレーカーから給水ポンプへ電力が給電されていないことが分かりました。

水道屋さんではブレーカーの交換はできないので、電力会社に連絡することとなりました。

この時点で既に23時を過ぎています…。

ブレーカーの写真

原因は電線のヒューズ

電力会社に連絡すると、電線関係で問題がある場合は電力会社負担での修理、配電盤(ブレーカー含む)に問題がある場合は所有者負担での修理になるが、それでも良いか?とまず聞かれました

即座に「了解です。早く来てください」と言いました。

ここで「嫌です」と答えたらどうなったのでしょう…(笑)。

費用はいくら請求されるのだろう??と一抹の不安はありましたが、水道が使えないと入居者さんに迷惑がかかります。

このため、背に腹は代えられません。

電力会社からは1~2時間で到着しますとの事でしたが、実際には30分程度で作業者が到着。

気付くと既に作業を始めていました(下写真参照)。

作業責任者の方に原因を聞くと、「電線から建物に引き込むところにヒューズがあるのですが、経年劣化でヒューズが切れていました。大変ご迷惑をおかけしております」と平謝りされました。

断水の原因は意外なところにあり、電線のヒューズ切れでした。

ヒューズは電力会社の管轄のため、修理費用は無料です。

電力会社が修理している写真
電力会社がヒューズを交換している写真

ヒューズはめったに切れないけれど…

原因は電力会社にあったので、遠慮なく色々質問してみました。

ヒューズは定期的に交換しているとのことでしたが、運悪く?ヒューズが切れてしまったようです。

本当に「定期的」に交換しているのか??と疑わしかったですが…(笑)。

そして、各戸用の引き込み線とポンプ用の引き込み線は別系統とのことでした。

ポンプが止まっても各部屋の電気が使えたのはこのためです。

作業者が感電しないよう慎重に作業が行われ、約1時間でヒューズ交換が終了。

給水ポンプも無事稼働したことを確認して電力会社は帰っていきました。

作業終了は24時半。断水してから5時間で復旧終了です。

まとめ

今回、突然の断水で焦りましたが、思いもよらぬところに原因がありました。

想定外のトラブルでしたが、管理会社、水道屋さん、電力会社と数多くの方に対応して頂きました。

週末の夜間であってもすぐに駆け付けてくれて、とてもありがたかったです。

今回の一連の騒動で学んだことは、緊急時の連絡先はあらかじめ確認しておくことが重要。

そして、緊急時に即時対応してくれる業者さんを見つけておくことが大切

ちなみに、断水中には各戸を訪問し、入居者の皆さんには状況を数回お伝えしました。

夜遅い時間でしたが状況を理解していただき、クレームにはなりませんでした。

クレーム対応:急な給湯器の故障に備えてと同じく、緊急時に大家さんが即座に対応することで入居者さんには納得してもらえたようです

翌日、何人かの入居者さんからは「遅くまでご苦労様でした」とお礼を言ってもらえました。

災い転じて福となす、とは正にこのことでしょうか。

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