賃貸経営で気を遣うポイントの一つがトラブル対応です。
とくに給湯器やコンロは故障などで使えなくなるとすぐに連絡が来て、対応が遅くなると確実にクレームになります。
設備の不具合はいつか起こるものですが、入居者さんのためを思えば素早く対応したいものです。
一方、急げば急ぐほど相見積を取る時間的猶予はなく、結果的に高額の修繕費を請求されるケースも多々あります。
過大な出費は賃貸経営にとって大きな痛手なので、可能であれば安く済ませたいというのが大家さんの本音ではないでしょうか。
しのっぴ大家の物件は都市ガスですが、都市ガスは公共性が高いため、なかなか「美味しい話」はありませんでした。
しかし、実際には修理費無料のプログラムがあり、これに加入することで何年も修理費を請求されたことも、支払ったこともありません。
今回は修理無料となるカラクリと、修理無料の実例を紹介していきます。
修理無料の答えはガス会社の囲い込み戦略にあり!
給湯器やガスコンロなどのガス関係の機器の修理費が「0円」の理由は、ガス会社の囲い込み戦略にあります。
ガス会社は、ガスを使ってもらってナンボの世界です。
だから、他のガス会社に乗り移られることを一番嫌います。
戸建ならまだしも、部屋数が多い賃貸物件のガス契約が一気に失われると大きな痛手となります。
ガス会社の営業さんにとっては死活問題ですね。
そのため、ガス会社は顧客の囲い込みのための手段を色々持っています。
その一つが「ガス器具の修理無料」です。
静ガスオーナーズクラブ
しのっぴ大家の物件は都市ガスの静岡ガスと契約していて、静岡ガスには「静ガスオーナーズクラブ」という制度があります。
この制度、賃貸物件オーナーにとっては非常にありがたい制度で、ガス器具の修理費用や出張費が無料になるという優れものです(下写真参照)。
気になる入会金は無料です!!
また、他社で購入した機器も補償の対象内と太っ腹です。
その他、セミナーやイベントが年に数回あり、情報誌も送られてきます。
営業さんに聞いたところ、プロパンガスの攻勢が厳しいので既存の顧客を守るための制度とのこと。
すなわち、契約口数が多い賃貸物件のオーナーを囲い込むための制度となっているようです。
修理費・出張費は本当に無料か?
では、修理費や出張費が本当に無料なのか?実例を挙げて説明していきます。
今回は定番中の定番の給湯器の故障と、ビルトインコンロの故障対応を取り上げます。
給湯器の故障
しのっぴ大家の物件は築古なので、給湯器もだいぶお疲れのものもあります。
給湯器の故障は入居者さんに迷惑がかかるため、基本的に10年~15年で交換しています。
しかし、運悪く?交換前の給湯器が故障したと連絡がありました。
入居者さんから管理会社を通じてしのっぴ大家のところに連絡があったのが午前中でした。
そこで、さっそくガス会社の担当者に連絡し、ガス屋さんは午後の早い時間に入居者さん宅を訪問。
部品交換で対応可能とのことだったので、当日中に修理が完了しました。
で、肝心の修理費は「0円」。
本当に無料で対応してもらえました。
その他、最終的には給湯器の交換となりましたが、仮設の給湯器を設置してもらうなど、給湯器交換を2回してもらった案件もありましたが、こちらも交換費・出張費は「0円」でした。
この詳細はこちらの記事を参照してください。
ビルトインコンロの故障
次はビルトインコンロの故障対応です。
退去時に気付いたのですが、少し雑な使われ方をされたせいか?ビルトインコンロの操作パネルがガタガタになっていました(下写真参照)。
すぐにガス会社の担当者に連絡し、見に来てもらいました。
が、、、操作パネルの交換となるため、メーカー対応になるとのこと。
メーカーに連絡してもらい、数日後に交換対応してもらいました。
操作パネルの交換なので簡単に済むだろうと思っていたのですが、想定以上に大がかりな対応となりました。
天板を外し、色々なパーツも外し…1時間ちょっとの作業となりました(下は天板を外したビルトインコンロの写真)。
この作業も「ガス会社に請求しますねぇ~」とのことで、しのっぴ大家の負担は「0円」。
所有するガス器具類の修理費はここ数年、支払ったことがありません。
オーナーにとっては本当にありがたい制度です☆
東京ガスのガス機器スペシャルサポート
しのっぴ大家が契約している静岡ガスはこれまで述べてきたようなオーナーの囲い込みがありますが、他の都市ガスではどうなのでしょうか?
東京ガスにはガス機器スペシャルサポートがあり、1戸あたり475円(税込み)で修理無料・買い替え時の割引等があります(下写真参照)。
1回故障をすると、修理だけで数万円することもあります。
これに対し、年間5700円の費用がかかりますが、急な故障に対する安心感や3万円までは修理費用がかからないことを考えると「あり」ではないでしょうか?
また、修理の窓口を一元化できるので、何かある毎に業者を探すという煩雑さかもら解放されます。
実はこれ、オーナーにとっては意外と大きなメリットです。
まとめ
賃貸経営をやっていると必ずやってくるのがガス機器の故障。
何とか安く!と思うはどのオーナーさんも一緒です。
今回紹介したように、静岡ガスと契約している人は「静ガスオーナーズクラブ」一択です!
また、他の都市ガスと契約している人も探すと色々なサービスや会社が出てきます。
気になる会社やサービスがあれば、どんな内容なのか?気軽に問い合わせてみましょう。
一方、静ガスオーナーズクラブのような素敵な制度がないところは、事前に安い給湯器を見つけておき、故障する前に交換してしまうというやり方もお勧めです。
給湯器は10年以上が一つの目安で、前もって対応しておくと結果的にコストダウンにつながります。