スモールスタートでミニマムリスク:賃貸経営は中古物件から始めよう

アパート経営を始めるにあたり、最初に悩む点が新築か中古物件か?だと思います。

新築と中古物件では物件購入までのプロセスや事業計画が大きく異なるからです。

新築は入居者が決まりやすい、長期間家賃収入を得ることができる等のメリットがあります。

しかし、しのっぴ大家は中古物件をお勧めします。

特に賃貸経営を始める最初の物件は中古が良いです。

最初に買うのが中古物件?と疑問に思うかも知れません。

でも、ローリスクで儲かるのは中古物件なのです。

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中古物件と新築の比較

中古物件と新築の比較をして、中古物件の方がローリスクで儲かる理由を説明していきます。

ポイントは次の2点です。

  • 物件の支払い総額が中古の方が少ない
  • 家賃を稼ぐのは「建物」ですが、中古はその建物をタダ同然で入手可能

中古物件は土地を買ったら賃貸物件が付いてきて、物件が勝手にお金を稼いでくれるイメージです。

ここからは、しのっぴ大家が実際に購入した物件を例に、中古物件を購入した場合と同規模の物件を新築した場合のシミュレーションをしていきます(購入価格のイメージは下図参照)。

中古と新築の場合の購入費用比較。

中古物件を購入する場合

しのっぴ大家が購入した最初の物件は、周辺相場から勘案する土地の値段は約2700万円でした。

ここに180m2の木造2階建てのシングル向け物件(全10室)が建っています。

築18年のこの物件を、しのっぴ大家は3200万円で購入しました。

また、購入時は満室だったので年間480万円の家賃収入がありました。

このため、建物をほぼ1年分の家賃収入で購入した計算になります。

・物件は最悪でも土地値で売れるため、このケースでは損失リスクは最大で500万円です

・年間480万円の家賃収入があるため、2年目以降は損失を被る可能性はほぼゼロです

実際、しのっぴ大家は上記のように考え、1年間入居を維持できれば負ける事は無いと判断して、この物件を購入しました。

新築の物件を建てる場合

次に同じ立地に同じ規模の物件を新築した場合を考えてみます。

2020年度の建築着工統計調査報告によると、住居専用建築物の坪単価(木造)は約57万円です。

アパートは住宅よりも設備が多く坪単価は高くなるので、仮に70万円/坪として考えます。

建物は180m2のため、建築費用は約3800万円です。

これに土地の代金2700万円を加算して、計6500万円が新築の場合の購入額となります。

・新築は長く賃貸として稼働できるので、トータル収益としては大きくなります

・一方、新築は元金だけで中古の2倍以上となります

返済総額の比較

中古と新築の購入価格が分かったので、次は返済総額をシミュレーションします。

返済総額をシミュレーションする前提は以下の通りとします。

  • 自己資金:1500万円(下表の①)
  • ローン金利:3%(元利均等返済)

自己資金を1500万円も用意するの?と驚かれるかも知れません。

しかし、アパートローンの組み方でも説明するように、安定したアパート経営を目指すのであれば物件購入の第一優先は自己資金であるとしのっぴ大家は考えています。

自己資金が少ないと返済期間が延び、返済総額が増加してしまうのである程度の自己資金は必要です。

中古物件の総支払額

3200万円の中古物件を購入し、上記の条件でローンを組むと、返済総額(元金+金利)はいくらのなるのでしょうか?

中古ではローン返済期間を長く設定し難いので、しのっぴ大家は実際に10年でローンを組みました。

その結果、毎月のローン返済は17万円弱となります

満室時の家賃収入は月に40万円なのでだいぶ余裕のあるローン返済となります。

そして、ローンの総返済額は1970万円で金利の支払額は270万円。

自己資金と合わせて3470万円が総支払額となります(下表の①+➂)

・中古価格3200万円に対して返済総額が3470万円となり、金利負担は大きくありません

・自己資金比率が高いことで、余裕をもってローン返済が可能となります(=ローリスク)

中古と新築の総支払額を比較している表。

新築の総支払額

つづいて、新築の物件を購入した場合の支払い総額を考えていきます。

まずローンの返済期間ですが、中古と同じく10年では毎月の支払が48万円を超えるために現実的ではありません。

このため、木造の法定耐用年数の22年をローン期間とします。

その場合、月々の返済は26万円弱となり、返済総額は6800万円を超えます(上表の➂参照)。

自己資金の1500万円と合わせて8336万円が総支払額となります(上表の①+➂)。

・新築の場合、借入額が大きく返済期間が長くなるため、大きな金利負担が生じます

・その結果、新築は中古に比べて2.5倍近い支払い総額となります

※土地を購入して物件を建てる手法は「ランドセット」と呼ばれており、大きなリスクを伴います。

ランドセットはメディアでもリスクについて報道されており、お勧めできるやり方ではありません。

まとめ

一般的に、新たなビジネスを始める際はスモールスタートの方がリスクが高くありません。

アパート経営も同様であるとしのっぴ大家は考えていて、最初はスモールスタートでミニマムリスクが良いと思っています。

また、「不動産投資」を始めようとする人はアパート経営の経験がない人が多いと思うので、中古物件でまずは「練習」すると良いと思います。

練習することによって、思っていた通りに出来る点、出来ない点がはっきりしますし、それによって次の展望も大きく変わります。

以上のことから、アパート経営を始める方は中古物件を購入するスモールスタートがお勧めです

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