築古のファミリー物件:退去後すぐに入居が決まり、家賃アップできる理由

しのっぴ大家が所有するファミリー向け物件、築30年以上の築古です。

しかし、空室が出るとすぐに入居が決まり、家賃アップもできているという状況。

特に2020年以降、空室が数カ月続くこともなく、家賃も上昇の一途をたどっています。

家賃アップは周囲の状況を見ながら戦略的に行っているので、作戦成功!という感じですが、そのベースにあるのが「引き合いの強さ」です。

今回は実際の入居までの期間と家賃の推移を紹介するとともに、なぜ引き合いが強いのか?募集の度に客付け店にヒアリングをしてきたので、その状況をお伝えします。

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入居までの期間と家賃の推移について

ここ数年で入退去があったのは2部屋なので、少し前の記録も織り交ぜながら退去と入居までの期間と家賃の推移を紹介します。

ケース1:3階の角部屋

最初の例は3階の角部屋です。

この部屋の入退去の経緯と家賃の推移を以下に示します。

3階の角部屋の入退去の経緯と家賃の変遷を示した図

この部屋の2代前の入居者さんは2003年から17年以上も住み続けてくれて、しのっぴ大家がこの物件を購入する前から住んでいた方です。

ある意味、「主」ですね(笑)。

しかし、残念なことに2020年11月末に退去。

この時点で「年相応」の古さ感は否めず、キッチンの入れ替えユニットバスの交換床の上張りなど大規リフォームすることに決定。

年末年始にかかるため、年内はリフォーム内容を業者さんと打ち合わせして終了しました。

入居申し込み①

お正月明け早々から解体作業に入り、解体直後の1月中旬に内覧&入居申し込みがありました。

その時点でまさか申し込みがあるとも思わず、客付け店には「とりあえず87000円で」と言っておいたのが仇となり、87000円での契約となりました。

その後、リフォームが2月下旬に終わり、3月から入居となります。

入居のポイントは学区とリフォームしてあることの2点だったようです。

リフォーム期間を除くと実質的な空室期間はほぼゼロとなり、家賃も18年前の85000円から2000円アップを達成しました。

しかし、この入居者さんは仕事の都合で転居されるとのことで2022年3月末に退去。

春の繁忙期を逃す最悪のタイミングでの退去となりました。

入居申し込み②

繁忙期を完全に逃した3階角部屋ですが、清掃が終わった直後のGW中に内覧がありました。

この方も学区にこだわって新居を探していたようで、しのっぴ大家の物件がヒット。

内装も気に入っていただけ契約にいたり、6月からの入居となりました。

気になる家賃設定は繁忙期を逃していたため、少し弱気の89000円で募集。

(といっても、この界隈では高めの価格設定ですが…)

価格交渉があり、1000円引きの88000円での契約となりました。

ケース2:2階の中部屋

次の例は2階の中部屋です。

この部屋の入退去の経緯と家賃の推移を以下に示します。

2階の中部屋の入退去の経緯と家賃の変遷を示した図

この部屋は2013年6月まで83000円で契約していました。

そして退去後、大規模リフォームしてしのっぴ大家が入居。

大家さんが物件に住むことで色々なメリットがあり、入居者さんからも「大家さんが住んでいてとても良かった」と言って頂けました。

しかし、マンションを購入して2022年6月末に退去。

ここから再度、2階の中部屋は事業用に供されることとなります。

入居申し込み③

しのっぴ大家が退去してから壁紙の張替えを行い、7月下旬から募集を開始しました。

競合の状況を確認し、周辺にファミリー向け物件の空きが数部屋しかないことを確認済です。

空いている部屋はいずれもメンテしておらず、敵にはならないと判断して強気の家賃設定をしました。

夏休み中の引っ越しシーズンとは微妙にズレたタイミングでの募集開始だったので一抹の不安はありましたが、8月に入りすぐに内覧&入居申し込みが入りました!

契約額も94000円となり、16年前の家賃よりも10000円以上アップに成功。

今回の入居者さんも学区指定で新居を探しており、他物件は「年相応」、しのっぴ大家の物件は「リフォームしてあり、綺麗な部屋」とのことで競合よりも約10000円高くても契約に至りました。

ファミリー向け物件の重要ポイント

これまでに説明してきた通り、しのっぴ大家が所有するファミリー向け物件で引き合いが強い理由は以下の2点です。

・「人気の学区」にある物件

・築年数相応感がない(=綺麗にリフォームしてある)こと

以下、2つのポイントを深堀してみます。

「人気の学区」にある物件

賃貸物件を選ぶ基準には収益面(利回りなど)と立地面があります。

今回フォーカスするのは立地面で、単身向けとファミリー向けでは着目点が大きく異なります。

単身向け物件は駅近が王道ですが、ファミリー向け物件はそうではありません。

ここ数年で数件の入退去がありましたが、どの入居者さんも「学区指定」で部屋を探していました。

すなわち、人気の学区に物件があれば、おのずと選ばれやすくなるということです。

「人気の学区」は簡単にネットでも出てきますが(例えば、このようなサイト)、近場の不動産屋さんに直接聞く方がより多くの情報を得ることができます。

人気の学区に物件を所有するメリットとデメリットは以下の通りですが、総じてメリットの方が大きいと実感しています。

<メリット>

・競合する物件が少ない

・空いた土地は戸建てになるケースが多いので、賃貸物件が乱立するリスクが低い

・家賃を高めに設定できる

・空室期間が短い

・客層が良い(家賃不払いのリスクが低い)

<デメリット>

・物件価格が高め

・中古の賃貸物件がなかなか出てこない

学区については客付け店にもヒアリングし、以下のコメントをもらっています。

・人気の学区の賃貸物件は空き(退去)が少ない。

・人気の学区を探す希望者は一定数以上いるため、退去があればすぐに埋まることが多い。

・一方、人気のない学区はファミリー向け物件が飽和しており、家賃が低くても空室が続く。

人気の学区を見つけ出すことは難しいことではないので、ファミリー向け物件選定の大きなポイントの一つになるのではないでしょうか。

綺麗にリフォームしてあること

学区で選ばれたら、次は数少ない競合に勝つための「リフォーム」です。

所有する物件がいくら人気のある学区にあっても、最終的に選ばれなければ空室のままです。

ここでポイントになるのは、綺麗にリフォームしてあるのか?否か?ということです。

人気のエリアを選ぶ客層=その地域の中では比較的裕福な客層、という気がしていて、そのような人たちは家賃が多少高くても綺麗な部屋を選ぶという結果になっています。

しのっぴ大家は積極的にリフォームして、競争力アップという戦略を取っていますが、間違いでなかったと実感しています。

リフォームによる競争力アップはこちらの記事に詳細を書いてあるので、参考にしてください。

まとめ

築古物件でも空室期間がほとんどなく、家賃アップに成功した実例を紹介しました。

このような例はごく一部かも知れませんが、ファミリー向け物件のエリア選定と経営戦略の方向性は示せていると思います。

今、単身向け物件とファミリー向け物件、どちらが良いのか?と問われたら、迷わず「ファミリー向け物件」と答えると思います。

賃貸経営としては非常に楽ですし、やることが明確なので失敗するリスクが低いからです。

ただし、人気の学区以外のファミリー向け物件は本当に悲惨なケースもあるので、エリア選定は非常に重要です。

最後に、リフォームして競争力アップを狙う場合、リフォーム費用の抑制は重要なポイントです。

このためには何社からか相見積りを取得し、内容と費用で業者を決めることが大切です。

相見積りってどーやって取るの?と悩んだら、見積り取得サイトを利用しましょう。

驚くほど価格が変わるケースもあるので、やりたいことが決まったら気楽に問合せしてみましょう。

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